今を基点にするagoと過去/未来を基点にするbefore
◇ 伝えたかった内容
1時間前には出発しないといけなかった
◇ 誤英語
I had to leave an hour ago.
◇ 伝わった内容
今から1時間前に出発しないといけなかった
◇ 訂正英語
I had to leave at least an hour before.
▼ なぜ通じない!?
まず、「出発しないといけなかった」と過去を基点にして、そこから 「〜前に」はbeforeです。
agoは「(今を基点)〜前に」で、誤英 語は、「今から1時間前に出発しないと・・」で時制がズレています。
次に「1時間前には」は「(最低)1時間前に」なので、at least を入れます。
これがないと「(ちょうど)一時間前に」としかな りません。
▼ ひとこと
未来の基点にする場合もbeforeです。
I have to be at the airport at least an hour before the flight.
フライトの1時間前には空港にいないといけない
at leastは抜けがちなので注意しましょう。
■ 編集後記
休みの日。
いつものごとく、寝起きでフトンに入ったまま携帯ゲームに興じるヨメハンが口を開きます。
ヨ「ちょっと、コンビニでタフマン買ってきてや」
私「冷蔵庫にあるで」
ヨ「買いたてを飲みたいんや!」
まるで3歳児のワガママですね。
しかし、「泣いて」ワガママを通す3歳児と違い、ヨメハンは「フライパンを投げて」ワガママを通す所が大きく違います。
ソソクサと着替えてコンビニに向かう私。
到着すると、狙いすましたかのようにヨメハンから電話が入ります。
ヨ「着いた?」
私「・・うん」
ヨ「ついでに、おつかい行ってきてや」
その「ついで」が、始めから目的だったんですね、きっと。
もちろん、断れません。
断ったら帰った瞬間、包丁が誤って私に飛んできそうな自信があります。
私「・・どこに行くん?」
ヨ「うちがナビしたるから安心しや」
グーグルマップ使いたいなぁ、僕。
ヨ「今どこ?」
私「コンビニの交差点や」
ヨ「じゃぁ、そこを真っ直ぐ」
交差点って4方向あるんだけどなぁ。
早くも頭痛がし始めた私。
私「どの方向に真っ直ぐ?」
ヨ「え〜〜・・たしか、この間うちが行った時、目印があったな・・」
それを早く言ってください。
ヨ「ピンクの車が信号待ちしてるから、それと同じ進行方向や」
ヨメハンの中では、そのピンクの車、今もここで信号待ちしてるようです。
私「今はもうおらんで・・」
ヨ「なんでやねん!?」
知らんがな。
ヨ「しゃ〜ない・・突き当りが見える方向なんやけどな・・」
それを最初に言ってください。
一方向しかないです。
心がポキポキと折れる音が聞こえつつも、突き当りまで歩く私。
私「突き当りまで来たで」
ヨ「じゃぁ、さらに真っ直ぐ」
ねぇ・・突き当りって、どうやったら真っ直ぐ進めるのかなぁ?
私「だから突き当りやって・・」
ヨ「しゃ〜ないな・・別ルートで行くか・・」
ヨメハンがどうやってここを真っ直ぐ行ったか見てみたいんですが。
ヨ「まず、その突き当りを左や
」
私「・・うん」
半分気絶状態でヨメナビに従う私。
ヨ「次は、その壁沿いに右」
私「・・・うん」
ヨ「もう一回、壁沿いに右」
私「・・・・うん」
ヨ「最後にもう一回右で到着や!」
・・・
ヨ「今どこ?」
壁を一周して元の地点です。
→ ↓
↑ ←(スタート)
ヨ「どや?」
僕って今、地球上で一番ムダな時間とカロリーを消費してる 気がするのは気のせいかぁ。
もはや折れる心すらなく、心身共に粉砕状態の私。
最後の力を振り絞って声を出します。
私「・・一周して元の場所なんやけど・・」
ヨ「ホンマに・・・感動的なまでに方向音痴やな・・」
誰でもいいから、ヨメハンに電話してナビを強制終了 させてください。
その後、1時間かけて辿り着いた目的地が、実は家の裏の 八百屋だとわかった時、今年一番の切なさに叩きのめされた 春の朝でした。